世界の本屋とバンコクの旧市街

世界の本屋とバンコクの旧市街

本屋としては、世界のどこへ行っても、当地の本屋に入る。当然のことながら、本屋に並ぶ書籍は、圧倒的にそこの言葉で書かれたものだ。ヨーロッパ圏の主要な言語と中国語は、話すことができなくとも、本の内容を把握することはできる。
アジアの国々では、各国がそれぞれの文字を持ち、その言語の発音の仕組みに基づいた表記になっているのだが、まったくわからない。
韓国のハングル文字は、文字の発音の仕方の組み合わせを理解すると、音を理解することができる。ところがそれから言葉の意味にたどり着くには、かなりの学習が必要だ。ずっと以前に初めて韓国を訪れた時には、ソウルのアーティストたちと熱心な芸術談義を筆談で交わしたことものだ。それがなぜ可能だったのかというと、当時はまだ漢字を使っていたからだ。だから新聞なども、見ていると大体の意味はわかることができた。難しい哲学用語などは、漢字で書いた方が英訳するよりずっと容易かった。
とは言え、文字が読めなくても、本屋があれば本屋に入るのには変わらない。文字が読めなくても、図版や写真を見ているだけで満足してくる。

最近、ひさしぶりにタイのバンコクに行く機会があった。ホテルは街の中心部にあたるエリアにあり、バンコクは巨大都市で、しかも高層ビルが立ち並んでいて、日本のどの都市よりも先を行っているように見える。
ところが旧市街に行くと、そこには30年ぐらい前の風景が、取り残されている。
タイ語を表記する表音文字であるシャム文字は13世紀ごろに、カンボジアのクメール文字を基に作られたと考えられている。
カンボジアでも、タイでも、この表音文字には、いつもお手上げだ。
バンコクの旧市街は、比較的に中国系タイ人が住んでいるようで、漢字で書かれた店の看板も見られる。アルファベット表記にもなっている。南方の中国語の表記になっていて、「陳」という文字も、Chen、Chan、Tanなどと広東語や福建語などの発音がアルファベットでふられている。

バンコクでは、大学も用事で訪れていたのだが、街では本屋を見かけなかった。しかし、数ヶ月前にオープンしたとてもおしゃれなショッピング・ビルには書店があった。ところが扱っている本は、ほぼ英語のものばかりだった。

タイの料理があまりにも美味しくて料理ばかりに気が取られて本屋を見過ごしていたのかな?
レコード屋は、わざわざ探してインディー系の店にも行ったのだが・・・
Restaurant in Bangkok

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